第71回 桜美林高等学校 卒業証書授与式

更新日:2020年3月17日

 3月17日火曜日、卒業証書授与式が挙行され、無事終了いたしました。今回の卒業式につきましては、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、異例の形で行わざるを得なかったことに対し、生徒の皆さん、そして保護者の皆様のご理解・ご協力をいただいき誠にありがとうございました。

 式を終え、最後のホームルームでは、あらためて各担任から一人ひとりに卒業証書が授与され、クラスの仲間や教職員たちと別れを惜しみつつ、晴れなやか顔で学び舎を巣立っていきました。

 3年間そして6年間、本校の教育活動に、保護者の皆様の深いご理解とご支援を賜り、卒業という日に至ることができましたことを心から感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

<卒業生代表のことば> 全文
 初めに、卒業式の開催すら危ぶまれる中、私たち卒業生の為にこの式の準備に尽力してくださった先生方、保護者の皆様に感謝申し上げます。ここまで学校生活を共にしてきた仲間と卒業を迎えられることを大変嬉しく思います。

 さて、私たちはこの桜美林高校に入学してから、勉学に多くの時間を費やしてきました。私は勉強をしているとき、例えば江戸時代の出来事を頭に入れているとき、図形の面積を求めるとき、英文を日本語に訳しているとき、この学びは将来役立つときが来るのか、疑問に思うことが何度かありました。科学技術が発展した現代では、知識はインターネットで検索すれば一秒もしないうちに膨大な情報が出てきますし、計算はコンピューターのほうが確実に速くて正確ですし、他言語を日本語にすることはスマートフォンさえあれば容易にできます。では、コンピューターにはできず、私たち人間だからこそできることはなんでしょうか。それは「考えて、感じて、意思を持つこと」ではないかと思います。人間は出来事や人の話に対して何かを感じる生き物です。一方、人工知能は今のところは感情や意見は持ちません。ですから人間にとって武器になるものは思考ではないかと思います。

 私たち桜美林生は思考する機会に大変恵まれていました。礼拝の時間には、奨励者の方の経験から学んだことや、社会問題に対する見解など、様々な話を伺いました。話者の考えと自分の考えの比較を通して自分の中でぼやけていた考えが浮き彫りになったり、知らなかった世界を知って自分の考えを見直したりと、考えを深める時間になりました。沖縄修学旅行での平和学習では、平成、そして令和を生きてきた私たちにとって想像できないような悲惨な過去を知りました。ガマの暗闇での言いようのない恐怖と、蒸し暑さ、石碑に刻まれた夥しい戦死者の数、壮絶な体験談など、決して忘れてはいけない記憶が刻まれました。「平和とは何か」という問題に対して明確に答えられずとも、この記憶が私たちを「平和」な世の中へ導く人間にしてくれるに違いないと確信しています。

 冒頭で歴史、数学、英語などの勉強の存在意義に疑問を持ったことを話しましたが、もちろんそれらの勉強にも意味があると思えるようになりました。例えば、ニュースを見ているとき、理解が深まる。歴史的背景を知り、失礼のない態度をとれるようになる。偏見を持たない人間になる。科学技術の発展に貢献する。統計を取って分析する。他者と面と向かって話す際のコミュニケーションのツールとして使い仲を深める。何かアイデアのきっかけになる。錯綜した情報の中から、正しいものを選び取れるようになる。どんな学問もどこかで互いに繋がっていて、本来は区切れません。役立つ学問と役立たない学問があることはあり得ないはずです。例え今は何に役立つのか分からなくても、わかるようになるのは学んだ人だけの特権だと思うのです。

 私たちは、見て、聞いて、経験した時、学んだ時、何かを感じ、何らかの考えを持ちます。思考する機会に恵まれた私たちは、おのずと思考する力が身についているのではないでしょうか。その力は、「学而事人」をモットーにしている学校で学んだ以上、他者のために使わなければなりません。そう考えたとき、ある先生が繰り返しおっしゃっていた言葉を思い出します。「口に出しなさい。どんなにいいことを考えていても、発信しなければ考えてないことと同じだよ。伝わらないよ。もったいないよ。」という言葉です。

 空気を読んで同調したり、自分が言わなくても誰かが言うだろうと考えて何も言わなかったりするほうが楽な場面は多いです。まして、誰かの顔色を窺って判断したり、とりあえずみんなと同じ行動をとったりする文化が強く根付く日本においてはなおさらです。SNSなどを通して自分の思ったことを発信することはありますが、それは「いいね、そうだね」と共感を求めての発信であるものが多いのではないでしょうか。自分の意見が人と違っていても、間違っていても、そこから始まる議論は有意義かもしれませんし、まだまだ未熟な私たちにとって、失敗からの学びは大いにあるはずです。これからの人生を通して、自らの発信によって行き詰った場面で新たな可能性の道を切り拓くきっかけを作ることのできる人材になりたいと思います。また、他者の発信を一つの考え方として尊重できる人間でありたいと思います。

 今、卒業を目の前にして桜美林高校での生活を振り返ってみると、本当にあっという間だったと感じます。声が枯れるまで応援した体育祭、必死にお客さんを集めた文化祭、友達とたくさん語りあった修学旅行、眠たい目をこすりながら乗り越えたコンテストや定期試験、食堂まで走った三限後の休み時間、楽しいことも辛いことも乗り越えてきた部活動、くだらないことで笑いあった部室でのひと時。今となっては輝いて見えるそんな日常に別れを告げ、それぞれが新たな道を歩み始めなければなりません。期待が膨らむ一方で、不安を覚えることも事実です。しかしそれは、三年前も同じでした。
 この三年間、もしくは六年間でかけがえのない友達や思い出を作り、様々な経験を通して成長出来た私たちならば、桜美林での学びを糧に、さらなる飛躍ができると信じています。また、ここでお世話になった方々、支えてくれた両親への感謝の気持ちを忘れずに歩んでまいります。

 最後になりますが、皆様のご健康と桜美林高校の輝かしい発展をお祈りいたしまして卒業生代表のことばとさせていただきます。

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