更新日:2020年5月29日
創立74周年記念礼拝
「わたしたちは、四方から苦しめられても行き詰まらず、途方に暮れても失望せず、虐げられても見捨てられず、打ち倒されても滅ぼされない。」(コリントの信徒への手紙二 4章8~9節)(文語訳:為ん方尽くれども希望を失わず)
桜美林中学校高等学校は5月29日に創立74周年を迎えました。創立者清水安三先生が北京で崇貞学園を開かれてから99周年です。当日は、本校の大越孝校長から、「清水安三の中江藤樹研究—陽明学からキリスト教へ—」と題して奨励をいただきました。
桜美林中高にとって、初めてオンライン礼拝による創立記念礼拝となりましたが、生徒、教職員一同、この大切な日の記念礼拝の時間を共有できたことは本当に感謝なことでした。
奨励の中で、まず大越校長は、江戸時代初期の陽明学者であり、近江聖人と呼ばれた中江藤樹の思想の中心である、「世界のうちにある、すべての人々は、みな上帝(天)の子孫である」、すなわち、すべての人々は身分の上下を超えて平等であるという、当時の時代状況の中にあっては非常に画期的であった思想が多くの人々を惹きつけたことを紹介されました。
そして、その中江藤樹の思想は、幼い頃の清水安三先生にも大きな影響を与え、後に清水安三先生がクリスチャンになるきっかけの一つになったことも話されました。
清水安三先生は、中江藤樹の、「すべての人々は身分の上下を超えて平等」という思想はキリスト教にも通じるところがあると考え、中江藤樹はクリスチャンであったのではないかと思い、そのことを賀川豊彦先生(後に桜美林学園の初代理事長に就任)から「中江先生とキリスト教の関係を研究してくれ給え」と言われたことをきっかけに、初期の学園運営で多忙を極める中にあっても、研究を続け、『中江藤樹はキリシタンであった』という著書を出すに至りました。
今回の創立記念礼拝では、桜美林学園と、前身である崇貞学園がキリスト教主義学校として建てられた背景には、清水安三先生が中江藤樹の思想に出会い、やがてキリスト教に関心を抱き、クリスチャンとして歩むようになったエピソードがあることを学ぶことができました。
生徒のみなさんにも、清水安三先生のように、学校生活では様々なことに関心をもち、幅広く学ぶ姿勢を大事にしてほしいと思います。もちろん、学んでいく中で、時には答えがすぐに見つからず、思うように勉強が進まず壁にぶつかることもありますが、冒頭にも記されている創立者を常に支えた聖書の言葉である、「わたしたちは、四方から苦しめられても行き詰まらず、途方に暮れても失望せず、虐げられても見捨てられず、打ち倒されても滅ぼされない。」(為ん方尽くれども希望を失わず)を心に留めて、オンラインの学び、そして登校しての学びを大切にしてほしいと願っています。