寿町越冬支援活動

2023年1月4日

お知らせ

高校

高校生有志が寿町の越冬支援活動に参加しました

2022年12月31日(土)、桜美林高校の有志生徒が寿町で行われた越冬支援活動に参加しました。
越冬とは生活や仕事に困っている人たちに炊き出しを行い、医療や健康・法律相談の場を設け、年末年始を誰もが無事に過ごせるように支援する活動のことです。横浜市の寿地区での越冬活動は今年で49回目になる歴史あるものです。いくつかの市民団体が寿越冬闘争実行員会を構成して、年の瀬の28日から年始の4日まで行われています。
当日は、朝から炊き出しの食材準備を寿児童公園内に設置された越冬本部テント前で行いました。500人分のけんちん蕎麦を作るためにたくさんの野菜や肉を切り込み調理しました。ふだん扱うことのない量の食材でしたが、各地から集まったボランティアの皆さんと協力しながら、おいしく食べてもらえることを考えながら一生懸命に取り組みました。
調理を終えた後に、寿日雇労働者組合の近藤昇さんの案内で寿町周辺を見て回りました。寿町は横浜市公共職業安定所を中心として、その周りに簡易宿泊所が立ち並んでいます。東西南北250メートルほどの地域に5,000人以上の仕事や生活に困窮する方々が暮らしています。すぐ隣にある元町や山手地区、中華街や横浜スタジアムなど、観光で賑わう地区とは対照的です。住んでいる方々も私たちに声をかけてくださり、また道端でお話をされる方が多くおり、とても生活感があふれるところです。歩きながら公共施設周辺に路上生活者の方々が近づけないようにするオブジェや柵などが設置されている現状に触れたり、関内駅周辺の大型再開発によって多くの路上生活者の方々が追い出され苦しんだりしている現状についても知らされました。
午後からは炊き出しの配膳が行われました。開始一時間前からたくさんの方々が立ち並んでおられました。生徒たちはけんちん蕎麦の盛り付けを担当しました。はじめのうちは大きな柄杓で食材をすくう慣れない作業でしたが、次第にてきぱきとこなすことができるようになり、500人以上の方に熱々のけんちん蕎麦をお届けすることができました。皆さんが温まりながら食べる姿に触れて、頑張ってよかったという思いと充実感に満たされました。すべての作業が終わったころには辺りはすっかり暗くなっていました。
一年の最後にボランティアの意義と喜びを味わい、多くの方々と出会い、社会の問題について共に考える貴重な経験をすることができました。