OBIRIN ONE DAY FIELD WORK
2023年3月28日
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OBIRIN ONE DAY FIELD WORK in 代々木 2022
3月26日(日)に「OBIRIN ONE DAY FIELD WORK in 代々木 2022」が開催されました。
中1から高3までの生徒有志が集まり代々木の町をめぐりました。渋谷区の代々木は名前のごとく古くは深い森で覆われていた地域ですが、現在は商業ビルや高級住宅地が立ち並び、カフェやおしゃれなお店があふれる街として生まれ変わっています。
はじめに私たちは日本基督教団代々木教会を訪問し日曜礼拝に参加しました。主任牧師の佐野真也先生があたたかく私たちを歓迎してくださり、日本では珍しいスペイン製のパイプオルガンの美しい音色の中で礼拝が行われました。その後、昼食を付属幼稚園でいただきながら、キリスト教の歴史や教派についての解説をしていただきました。
次にそこから20分程度歩いて東京ジャーミィ礼拝堂を訪問しました。ここは日本最大級のモスクで、在日のムスリムの方々のコミュニティとしても機能している場所です。ここで日本人ムスリムの下山茂さんのお話を聞き、付属のイスラムカフェでアラブのお茶とお菓子をいただきました。食べたことのないアラブのスイーツにみんなドキドキしながら味わっていました。その後、モスクでの礼拝に参加しました。イマーム(イスラム指導者)のリードのもと、多くの信徒さんや子どもたちが礼拝堂に集まり敬虔な礼拝が始まりました。イマームの神を賛美しコーランを朗読する美しい声が礼拝堂いっぱいに響きわたりました。メッカの方向を向いて真剣に祈る姿や、礼拝堂の片隅でコーランを静かに黙読する信徒さんの姿に心を奪われました。ここには中東地域からだけでなく、東南アジアからのムスリムの方々も集い、近年は世界各国で迫害をおそれて避難してきたムスリムの方々も多くいると知りました。
東京ジャーミィはロシアでの社会主義革命で信仰を奪われて日本に避難してきた信徒さんたちによって建てられたことが始まりです。現在ではトルコ政府の支援を受けてアラブ世界やイスラーム文化を発信する多文化共生を目指す施設として発展しています。世界中でそれぞれの信仰と文化が尊重されるようになることを強く思い起こされました。
この日はラマダーンの最中で信徒さんたちは断食の最中でした。断食を通じて感謝の心を養い、神への信仰を強め、連帯と貧しい人々を支え助ける喜びの期間であると教えてもらいました。みなさんが晴れやかな表情をしていたのが印象に残りました。最後に併設されているハラルショップで生徒たちは日本では珍しいアラブのお菓子や物産品からお土産を探していました。
今回のフィールドワークを通じて私たちはキリスト教とイスラームの正しい理解と共通性や類似性、そして人間と社会によりよく奉仕する正しい宗教の在り方を理解することができました。今の代々木は多くの文化や人々が行き交うとても魅力的なマルチカルチャーなところでした。
【参加した生徒たちの感想】
✎今回のフィールドワークを通して、印象に残っているのはイスラームの考え方についてです。「食事は一人で食べるのではなく、みんなで分け合って食べる」という決まり、断食「Break・fast」についての説明が特に印象に残りました。もう一つ印象的だったのは、モスクでの礼拝です。初めて間近で見たモスクはとても神秘的でお城のように大きくて、まるでどこか違う世界の中にいるかのような不思議な気持ちになりました。実際に礼拝に参加してみて、キリスト教とはまた違った良さがあると感じました。イスラームについては教科書を通して学ぶ機会もありましたが、今回のように実際に体験することはありませんでした。だから今回身近に感じることができ、イスラームに興味が湧きました。私は今回のフィールドワークを通して、イスラームの人たちはみんな温かいと感じました。イスラームについてこんなに深く学ぶことができて貴重な経験だったと思います。
✎キリスト教もイスラームも、どちらも人を大切にするという「隣人への愛」を意識しているのではないかと感じました。キリスト教では聖句にもあるように隣人を大切にする教えがありますが、イスラームでもコーランの中で食事をみんなで分け合い、人と人との絆と連帯を大切にしているということに気づきました。そしてどちらも一神教という共通点もあるのではないかと思いました。
✎イスラームについてのイメージが180度変わりました。スタッフの下山さんがおっしゃっていたようにテロや原理主義の影響で悪いイメージがある人が多くいるのも事実です。しかし実際にモスクにいってみるとそこにはとても自由な雰囲気が感じられました。そして一人ひとりの個性がとても大切にされているように見えました。後ろから、イスラームの礼拝を見ているだけでしたが、イスラームもいい宗教だなと思いました。
✎キリスト教の教会やイスラム教のモスクはただ祈る場所ではなく、信徒さんたちが日常生活のささいな話をしたり、一緒にご飯をたべたり、幼稚園もあったり、喜びや悲しみを一緒に分かち合う場所だとわかりました。キリスト教もイスラム教も世の中で言われる「カルト」のようなものとは全くかけ離れていて、自分や自分の周りにいる人達が本当に幸せになるためにあり機能しているものだと分かった。
✎今回のフィールドワークを通じて本当のことを知ることの大切さを感じました。偏った情報やマイナスのイメージしか持たないでいると、偏見や差別を生み出してしまうからです。代々木を歩きながら地域に根差している教会やモスクに出かけました。キリスト教とイスラム教がとても仲良く、それぞれが神と人を大切にしていることを知ることができました。